
時間の見積もりが苦手な人の予定の置き方
時間の見積もりが苦手な人へ。作業時間だけでなく準備、移動、確認、休憩を予定に入れる方法を、外出・メール・会議準備の例で整理します。
予定表には入れているのに、いつも押してしまう。作業自体は30分で終わるはずなのに、準備、確認、移動、片付けを入れると時間が足りない。
時間の見積もりが苦手な人は、「作業そのもの」だけを予定に入れていることがあります。実際には、始める前と終わった後にも時間がかかります。
この記事では、予定を細かく増やしすぎず、作業時間の前後に必要な時間を足す方法をまとめます。
結論:作業時間だけで予定を作らない
予定に入れるのは、作業時間だけではありません。
次の4つを足します。
準備時間
作業時間
確認時間
予備時間
たとえば「資料を読む30分」なら、予定表には次のように置きます。
10:00 準備:資料を開く、メモを出す
10:10 作業:資料を読む
10:40 確認:要点を3つ書く
10:50 予備:遅れた分を吸収する
見積もりが外れやすい人ほど、予定を「作業名」ではなく「前後込みの流れ」で置く方が現実に合いやすくなります。

作業だけを予定に入れるのではなく、始める前の準備、終わる前の確認、遅れを吸収する予備時間まで一つの流れとして置きます。
時間がずれやすい4つの場所
時間の見積もりは、作業中だけでずれるわけではありません。
| ずれる場所 | 起きやすいこと | 予定に入れるもの |
|---|---|---|
| 始める前 | 必要な物を探す、画面を開く | 準備時間 |
| 作業中 | 思ったより手順が多い | 作業時間 |
| 終わる前 | 添付、誤字、数字の確認が残る | 確認時間 |
| 次の予定前 | 気持ちの切り替えが必要 | 予備時間 |
「自分は時間にだらしない」とまとめるより、どこでずれているかを見る方が直しやすくなります。
外出予定の置き方
外出で遅れやすい場合、予定表に「到着時刻」だけを書くと足りません。
次のように、出発前の行動を入れます。
13:00 持ち物確認
13:10 靴・上着・鍵
13:15 家を出る
13:40 到着予定
13:50 予備
出発時刻ではなく、準備を始める時刻を予定に入れるのがポイントです。
メール作業の置き方
メールは、書く時間だけでなく、確認に時間がかかります。
15:00 下書き
15:20 宛先・添付・数字を確認
15:25 送信
15:30 送信済みを確認
確認時間を予定に入れておくと、送信直前に慌てにくくなります。
会議準備の置き方
会議は、開始時刻だけでなく、前後の切り替えが必要です。
9:30 議題を見る
9:40 自分が確認したいことを1つ書く
9:50 接続・資料を開く
10:00 会議
10:50 メモを3行だけ整理
会議後にすぐ別作業を入れると、聞いた内容が抜けやすい人もいます。会議後の5分だけでも、予定に置いておくと次の作業へ移りやすくなります。
家事や片付けの置き方
家事は「洗濯」「片付け」のように一言で書くと、実際より短く見積もりやすくなります。
たとえば洗濯物を畳む場合、予定表には次のように置きます。
19:30 洗濯物を集める
19:35 畳む
19:50 しまう場所へ分ける
20:00 途中で終わってもよい予備
家事は途中で別の物が目に入り、作業が分かれやすいです。最初から長く取るより、途中で終わってもよい予備を入れておく方が、自分を責めにくくなります。
見積もりを直すための記録
予定がずれた時は、反省文ではなく、差分だけを残します。
予定:30分
実際:45分
増えた理由:資料を探すのに10分、数字確認に5分
次回:準備10分、確認5分を先に入れる
毎回完璧に記録する必要はありません。ずれた予定を1つだけ記録すれば、次回の見積もりが少し現実に近づきます。
予定表に入れすぎない工夫
予定を細かくしすぎると、予定表を見るだけで疲れます。
最初は、時間がずれやすい予定だけに使います。
- 外出
- 会議
- 締切前の提出
- 長文メール
- 家事や片付け
全部の予定を細かくする必要はありません。「遅れると困る予定」だけ、準備、作業、確認、予備に分けます。
予定を支える道具を使う場合
道具は、時間の見積もりを助ける補助です。買えば解決するものではありません。
まずはスマホのアラーム、紙のメモ、家にあるタイマーで試してください。続けられそうなら、残り時間が見えやすい道具や、予定を見える場所に置ける道具を候補にしてもよいです。
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周囲へ相談する時の短い例文
職場や学校で予定の置き方を相談する場合は、次のように具体的に伝えます。
作業時間だけで見積もると遅れやすいので、提出前の確認時間を10分入れて進めたいです。
会議の直後にメモを整理する5分を取れると、抜け漏れを減らしやすいです。
外出予定は到着時刻だけでなく、準備開始時刻も予定に入れて確認したいです。
参考情報・注意
この記事は、仕事や生活の予定を立てやすくするための一般的な工夫です。診断、治療、服薬、制度利用の判断に代わるものではありません。
困りごとが強く、生活や仕事に支障が続く場合は、医療機関、自治体の相談窓口、職場や学校の相談先などに相談してください。
参考にした公的機関・専門機関の情報は次の通りです。
- 発達障害情報・支援センター「こんなとき、どうする?」 https://www.rehab.go.jp/ddis/howto/ (情報確認日:2026年7月3日)
まとめ
時間の見積もりが苦手な時は、作業時間だけで予定を作らないことが大切です。
準備、作業、確認、予備を分けて置く。まずは今日の予定を1つ選び、前後に10分ずつ足してください。時間を正確に当てるより、ずれた時に吸収できる予定にする方が続けやすくなります。
今日から試す3ステップ
- 今日の予定を1つ選ぶ
- 作業時間の前後に準備と確認を足す
- 予備時間を10分だけ入れる
参考情報・注意
この記事は当事者の経験と一般情報をもとにした読みものです。本文中に参考資料や公的機関・専門機関名がある場合は、あわせて確認してください。診断、治療、服薬の判断は医師などの専門家に相談してください。
著者について
ADHD当事者としての経験を出発点に、公的機関の情報や関連資料を確認しながら、仕事と生活に取り入れやすい工夫を紹介しています。詳しい運営方針は ズレハックについて を確認してください。