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発達障害研究の夜明け——20世紀初頭、最初に「発見」したのは誰か発達障害の歴史
2026.02.01·約8分ズレハック運営者の著者イメージズッチ

発達障害研究の夜明け——20世紀初頭、最初に「発見」したのは誰か

発達障害の概念はいつ誕生したのか。20世紀初頭の先駆者たちの発見と、現代の診断につながる歴史の始まりを振り返ります。

この記事でわかること

  • この記事で伝えたいこと:発達障害を持つ人は昔から存在していた——見えていなかっただけ
  • 20世紀以前:発達障害は「存在しなかった」のか
  • 1902年:ADHDの原型を「発見」した医師
  • 1920年代:「脳炎後の行動変化」が証拠になった
  • 1930〜50年代:精神分析の時代——脳の視点が後退した
  • この歴史から学べること

この記事でわかること

  • 発達障害という概念が生まれたのはいつか
  • ADHDを最初に「発見」した医師とその視点
  • 精神分析の時代に起きた「誤り」
  • 歴史を知ることが自己理解にどうつながるか

この記事は、「発達障害はいつから認識されてきたのか」「昔の自分のような人はどう扱われてきたのか」と感じている社会人に向けて書いています。


この記事で伝えたいこと:発達障害を持つ人は昔から存在していた——見えていなかっただけ

「ADHD」「ASD」という言葉が医学的に生まれたのは、わずか100年ほど前のことです。

それ以前は、今でいう発達障害の特性を持つ人たちは「怠け者」「頭がおかしい」として扱われてきました。

「発達障害が増えた」のではなく、「ようやく正しく見えるようになってきた」——この歴史を知ることは、今の自分を理解するための手がかりになります。


20世紀以前:発達障害は「存在しなかった」のか

19世紀末まで、発達障害的な特性を持つ人たちはどう扱われていたか。

  • 「怠け者」「頭がおかしい」という道徳的・宗教的な評価
  • 「悪い親の育て方の問題」として片付けられる
  • 精神病院や施設への収容(知的障害と混同されることが多かった)
  • 「変わった天才」として見過ごされるケース

神経学・心理学が発達する19世紀末〜20世紀初頭になってようやく、行動の背景にある脳の仕組みが探られ始めます。


1902年:ADHDの原型を「発見」した医師

ADHDの概念の歴史は、1902年にさかのぼります。

イギリスの小児科医ジョージ・フレデリック・スティル(George Frederic Still)は、医学誌『Lancet』に画期的な論文を発表しました。

スティルが診察したのは、注意散漫・衝動的・反抗的な行動を示す子どもたちです。
彼はこれを「道徳的制御の欠陥(Defect of Moral Control)」と記述しました。

現代の言葉で言えば——まさにADHDの原型と言える観察です。

そしてスティルは画期的な主張をしました。
この状態は「悪い育て方」によるものではなく、生物学的な素因に関係している。

当時としては非常に革新的な視点でした。


1920年代:「脳炎後の行動変化」が証拠になった

第一次世界大戦後(1917〜1926年頃)、欧米でエコノモ脳炎(流行性脳炎)が大流行しました。

回復した患者——特に子どもたち——の一部に、注意力の欠如・衝動性・多動などの行動変化が現れることが観察されます。

「脳のダメージが行動の問題を引き起こす」という直接的な証拠を、医師たちは初めて得ました。

ADHD的な特性が脳の問題と関係しているという考え方が、ここで確立されていきます。


1930〜50年代:精神分析の時代——脳の視点が後退した

フロイトを中心とする精神分析の全盛期に入ると、子どもの行動問題は「母親との関係」「無意識の葛藤」として説明されることが多くなります。

脳の神経学的な違いという視点は、一時後退しました。

自閉症の「冷蔵庫マザー説」(次回詳しく解説します)も、この時代の産物です。

この誤った理論が当事者家族に多大な傷を残したことは、歴史の重要な教訓です。


この歴史から学べること

「昔はそんな人いなかった」——よく聞く言葉ですが、それは間違いです。

時代 発達障害特性への扱われ方
20世紀以前 「怠け者」「問題のある人」として道徳的に裁かれる
1902年〜 「脳の特性」という医学的な視点が生まれ始める
1920年代 脳炎後症候群の研究で「脳と行動」の関係が確立
1930〜50年代 精神分析が主流化し、「親のせい」という誤りが広まる

歴史を知ると、「昔の自分のような人がどれだけ傷ついてきたか」が見えてきます。
そして同時に、「今は少しずつ正しい理解が広まってきている」ことも。


まとめ

  • 発達障害の医学的概念は20世紀初頭から徐々に形成された
  • 1902年のスティルの観察が、ADHDの概念の出発点とされる
  • 流行性脳炎後症候群の研究が「脳と行動」の関係を明確にした
  • 精神分析の全盛期には脳の視点が後退し、誤った理論も生まれた
  • 発達障害がある人は昔から存在していた——見えていなかっただけ

「発達障害がある」という認識がなかった時代、どれだけの人が「自分はおかしい」と思い続けてきたか。

歴史を知ることで、今の自分を少し違う目で見られるかもしれません。

次回はADHDの歴史を詳しく辿ります。「多動な子ども」の記述から、現代の診断基準が生まれるまでの歴史です。

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参考情報・注意

この記事は当事者の経験と一般情報をもとにした読みものです。診断、治療、服薬の判断は医師などの専門家に相談してください。

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PRACTICAL TIPS

「知識」を「対策」に変える

ADHDの仕組みがわかったら、次は実際に使えるハックを試してみましょう。

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